2026-09-12
プレオルソとインビザラインファーストの違い|併用する順番と選び方
プレオルソとインビザラインファーストは、どちらが良いかではなく「使う順番」で考える装置です。目的・対象年齢・できることの違いを比較表で整理し、当院がこの順番で使う理由をお伝えします。
お子さまの矯正を調べ始めると、必ず出てくる2つの装置があります。プレオルソとインビザラインファーストです。
「どっちがうちの子に合っているんだろう」——そう考えて比較記事を探される方が多いのですが、実はこの2つ、並べて優劣を決めるものではありません。役割がまったく違い、当院では多くの場合「順番に使う」装置として位置づけています。
結論:比べるものではなく、つなぐもの
ごく簡単に言うと、こうなります。
- プレオルソ=歯並びが乱れる「原因」を整える装置(土台づくり)
- インビザラインファースト=顎を広げながら「歯そのもの」を動かす装置(第1期治療)
原因が残ったまま歯だけを並べると、治療後に後戻りするリスクが上がります。逆に、原因を整えるだけでは、すでに生えてしまった歯の位置は変わりません。だから「先にプレオルソ、必要に応じてインビザラインファースト」という流れになるのです。
違いを表で整理する
| プレオルソ | インビザラインファースト | |
|---|---|---|
| 主な対象年齢 | 4〜10歳頃(乳歯〜生え変わり初期) | 6〜12歳頃(混合歯列期) |
| 目的 | 口呼吸・舌の癖の改善/顎の成長誘導 | 顎の側方拡大+歯並びの調整 |
| 装置 | 既製のやわらかいマウスピース | 一人ひとりに合わせたオーダーメイドのアライナー |
| 装着時間 | 日中1〜2時間+就寝中 | 1日20〜22時間 |
| 期間の目安 | 6か月〜1年程度 | 最長で約18か月(第1期治療) |
| 得意なこと | 悪習癖の改善、軽度の出っ歯・受け口の傾向づけ | デコボコの改善、スペースの確保、細かい位置の調整 |
| できないこと | 歯を狙った位置へ精密に動かすこと | 装着時間が守れない場合に計画どおり進めること |
当院がこの順番で使う理由
小児矯正でいちばん多い相談は「デコボコ」ですが、その背景には口が開いたまま(口呼吸)・舌が低い位置にある・指しゃぶりが続いているといった習慣があることが少なくありません。
これらは顎の育ち方そのものに影響します。習慣が残ったまま歯列だけを整えても、成長とともに再び乱れる可能性があります。
そこで、まだ乳歯が中心の時期はプレオルソで呼吸と舌の位置を整えることを優先します。そのうえで、永久歯が生え始めて顎を広げる必要が出てきた段階で、インビザラインファーストに移行します。
もちろん、初診の時点ですでに永久歯が生え、デコボコがはっきりしているお子さまであれば、プレオルソを経ずにインビザラインファーストから始めることもあります。順番は原則であって、固定ではありません。
当院が床矯正装置を採用していない理由
小児矯正では、ネジで少しずつ拡大していく床矯正装置もよく知られています。当院ではこの装置は採用していません。
理由は、当院が重視している「呼吸と舌の機能から整える」という考え方と、装置の性質を照らし合わせた結果です。プレオルソとインビザラインファーストの組み合わせであれば、機能面へのアプローチと歯列の調整の両方を、取り外し式の装置で一貫して進められます。
これは当院の治療方針であり、他の装置や他院の治療法を否定するものではありません。装置の選択には複数の考え方があります。
どちらも合わないケースがあります
正直にお伝えすると、次のような場合はこの2つの装置だけでは対応しきれません。
- 骨格的なズレが大きい受け口——成長の見守りや、他の装置・外科的な選択肢の検討が必要になることがあります
- 装着時間がどうしても確保できない——取り外し式の装置は、外している時間が長いと結果が出ません
- 永久歯がすでに生えそろっている——第2期治療(本格矯正)の範囲になります
当院で対応が難しいと判断した場合は、口腔外科や大学病院へご紹介します。
よくある誤解:「早く始めるほど良い」わけではない
早期に始めれば良い結果になる、と考えられがちですが、装置を入れる時期が早すぎると、お子さまが治療そのものに疲れてしまうことがあります。小児矯正は数年単位のお付き合いです。
「まだ始めなくていい、半年後にもう一度見せてください」とお伝えすることも実際にあります。始めない判断も、診断の一部だと考えています。
費用について
小児矯正は、顎変形症など一部の例外を除き自由診療(保険適用外)です。当院の小児矯正の費用は次のとおりです。
| メニュー | 通常価格(税込) | モニター価格(税込) |
|---|---|---|
| プレオルソ | 198,000円 | 168,000円 |
| インビザラインファースト | 518,000円 | 488,000円 |
| 自費MFT(口腔筋機能療法) | 1回 10,000円(数か月〜1年の継続をおすすめしています) | |
※表示価格はすべて税込・トータルフィーです(治療中の調整料は別途かかりません)。
※モニター価格は、症例写真の掲載にご協力いただける方が対象です。
※第2期治療(本格矯正)へ移行する場合の費用は、カウンセリングで治療計画とあわせてご説明します。
プレオルソからインビザラインファーストへ移行する場合は、それぞれの費用が必要になります。総額の見通しは、最初のカウンセリングの段階でお伝えします。
治療にあたって必ずご確認ください
■ 自由診療(保険適用外)です
小児矯正は、顎変形症など一部の例外を除き健康保険の適用外となる自由診療です。費用は本文に記載のとおりで、表示価格は税込・トータルフィー(治療中の調整料は別途かかりません)です。お支払い方法は初回カウンセリングで書面をお渡ししてご説明します。
■ 主なリスク・副作用
装着中の一時的な痛み・違和感・発音のしにくさ/唾液が出にくい・粘膜への刺激/装着時間が守られない場合に治療計画どおりに進まないこと/むし歯・歯肉炎(清掃状態により)/歯根吸収・歯肉退縮が起こる可能性/成長発育の個人差により、当初の計画から治療方針の変更や第2期治療が必要になる場合があること/保定を行わない場合の後戻り。これらが「起こらない」とお約束することはできません。
■ 未承認医療機器に関する情報
・未承認医薬品等であること:インビザラインファーストで使用するマウスピース型矯正装置(アライナー)は、日本国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていない医療機器です。
・入手経路:当院で使用するアライナーは、アライン・テクノロジー社の国内製造拠点(横浜)で製造されたものを入手しています。医師による個人輸入ではありません。
・国内の承認医療機器の有無:当院が把握する範囲では、同一の性能を有する国内承認医療機器は確認されていません。
・諸外国における安全性等に係る情報:インビザライン・システムは米国FDAにおける市販前届出(510(k))を経て米国をはじめ各国で使用されています。重大な副作用の報告は確認されていませんが、諸外国の承認等は日本国内の安全性を保証するものではありません。
よくあるご質問
Q. プレオルソだけで終わることはありますか?
A. あります。悪習癖が改善し、永久歯がきれいに並ぶスペースが確保できれば、それ以上の装置を使わず経過観察に移ることがあります。ただし、始める時点でそれをお約束することはできません。
Q. 両方使うと費用は2倍になりますか?
A. 装置ごとの費用体系になります。移行する場合の費用の扱いは、治療計画をお出しする際にあわせてご説明します。
Q. プレオルソは嫌がりませんか?
A. やわらかい素材で痛みが出にくく、装着は日中1〜2時間と就寝中が基本のため、比較的取り組みやすい装置です。とはいえ慣れるまで数週間かかるお子さまもいます。
Q. 途中で装置を変えることはできますか?
A. 成長の様子を見ながら方針を見直すことは通常の診療の範囲です。定期的に確認しながら進めます。
Q. 兄弟で年齢が違うのですが、同じ装置になりますか?
A. 生え変わりの段階と症状で判断するため、装置が異なることのほうが一般的です。小児矯正のページもあわせてご覧ください。
カウンセリングのご予約・お問い合わせ
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